シビレエイ(Narke japonica)の器官放電について
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概要
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体長約22〜34cmの日本産シビレエイ(Narke japonica)の器官放電の様相について観察した。まづシビレエイを板上に固定し,種々の大きさの銀製板状電極を皮膚上から電気器官に接触させ,ガラス棒による機械的刺激で発生する放電をブラウン管オッシログラフに導いて記録し,大略次のような結果を得た。(1)1回の機械的刺激により,スパイク状の単相性放電(3〜6V,持続時間約8msec)が3〜4個のグループを形成して100〜200msecの間隔で周期的にあらわれた。(2)2個の電極の大きさや位置を変えて誘導すると二相性または多相性の放電が観察される。これは電気器官中の興奮部位のずれや,興奮発生の時間的ずれなどによる電気的非対称にもとづく活動電位が2個の電極に対して複雑に干渉する結果と考えられる。(3)(1)のスパイク状の単相性放電には通常三角形状をした山形状の二次性放電(0.4V,10msec)が観察されたが,これとは別に形状が鋸歯状のやや腹雑な波形のもの(0.2〜0.35V,30msec)もみられた。(4)左右の電気器官からの放電を同時記録して観察すると,発生する二つの器官放電は発生時,波形などについては酷似していることが多いが,電動力の大きさや二次性放電の波形などは若干異っていた。(5)自然放電の様式としては,左右の電気器官から同時にスパイク状の単相性の単一放電(0.5V,8msec)がみられた。またこれには極めて小さい二次性放電が附随していた。
- 千葉大学の論文
- 1973-08-31
千葉大学 | 論文
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