東南アジアの経済発展と消費財輸入の増大について : ASEAN 3カ国の貿易政策の効果を中心に
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概要
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経済発展は家計行動にいかなる影響を及ぼすのであろうか.本稿の問題意識はまさにここあるといえる.これまで多くの経済開発論で取り上げられてきた経済成長や産業構造の高度化は,それらが所得の上昇など家計をめぐる経済社会指標上の改善を伴うという意味では,国民生活水準の変化を間接的に表現するものではあった.しかしながら,それらの多くは経済発展の成果というよりはむしろその要因であり,本来,直接的な意味での発展の成果は,その国に居住する人々の全般的な生活水準の上昇,すなわち家計行動の近代化において問われるべきものであるといえる.この点,経済発展における家計行動に関する分析は,特に開発論の枠組みの中でこれまで十分になされてきたとは必ずしも言えない.特に,経済発展に伴う家計行動の変化という視点は,外資導入による急速な工業化を推し進めてきた東南アジアのような地域の経済発展のあり方を議論する際にとりわけ有意義であるように思われる.そこで本稿では,ASEAN 3カ国に焦点を当て,経済発展と開発政策が及ぼした家計行動への影響を,その対外的側面である貿易政策と輸入構造の高度化,ひいては消費的輸入の増大を見ることによって検証する.
- 名古屋文理大学の論文
- 2001-04-01
名古屋文理大学 | 論文
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