原原種・原種生産の展開と課題 : 千葉県を例として
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概要
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稲・麦のような自殖性作物の品種は純系として扱われているにもかかわらず,自家採種や異品種の混入,自然交雑等により品種が退化し,変異が生じて遺伝的特性が失われる.いわゆる自殖弱勢が発現するのである.これを解決するには,純粋な優良種子を維持するため原原種圃を整備する必要があり,そこから得られた原原種を増殖する原種圃と綿密な原種の生産管理が重要である.全国に先駆けて千葉県では1948年より原種生産を拡大した.さらに,'75〜'83に独自の技術政策を遂行し種子更新率を79%に向上させた.一方,国(政府)は'52年に「主要農作物種子法」を制定し,都道府県に対して原原種・原種生産を支援した.千葉県の技術政策は自殖弱勢を解決するだけではなく,生の籾を火力で乾燥するため自家採種が困難であること,機械化農法の浸透,兼業化,農業従事者の減少にともなう自家採種の困難,混種事故,奨励品種への転換等の種子問題を解決するため原種圃の拡充がある.
- 千葉大学の論文
- 1994-03-25
著者
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