Mortality Methodology : 悪性腫瘍(胃がん,肺がん)の危険評価
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概要
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【背景】1991年,R. B. SingerとM. W. Kitaにより体系的に紹介されたMortality methodologyは臨床論文に発表された患者データから生命保険数理法(Cutler-Ederer法)による生命表を作成し,死亡指数,超過死亡数率(EDR)を求めて生命危険評価に利用することを目的とする方法で,従来の国内全生保会社経験を集めて危険評価基準を求める方法論とは一線を画するものである。現在の米国生命保険業界では一般的な方法として危険評価に携わる医師の間で用いられている。一方,本方法は本邦ではほとんど普及しておらず,一部の関係者の間に留まっている。本邦でもMortality methodologyを用いた危険評価が普及するような取組みが必要である。【方法】全国胃がん登録調査報告および全国肺がん患者登録に発表されているデータを用いてMortality methodologyに従って生命保険数理法(Cutler-Ederer法)による生命表を作成し,死亡指数,超過死亡数率(EDR)を算出し,全期間料増法,削減法,期限付料増法による生命危険評価を行った。また,米国のSEER^*Statを利用して,米国の胃がん患者,肺がん患者と日本の患者との短期間の予後比較を行うとともに,日本人患者の長期予後予測を試みた。【結論】胃がん患者では手術後急速に区間死亡指数が減少し,削減法による危険評価が適当と考えられたが,肺がん患者では,被保険体に成り得る範囲では経過とともに区間死亡指数は下がるものの削減法が適用できるほどの急速低下ではなく,期限付料増法と全期間科増法の併用による危険評価が適当と考えられた。SEER^*Statを利用した日本人患者と米国人患者の短期間の予後比較では,患者の年齢分布,病期進行度分布の差の影響によると思われる予後の違いが,特に胃がんにてみられたが,長期予後ではほぼ同じであろうと予想された。SEER^*Statによる解析では,胃がん,肺がん共に,区間死亡指数は長期的にも標準体のそれになることはなかった。
- 2004-12-17
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