新契約決定前の契約確認による診断書入手例の検討 : 特に胃手術例における悪性新生物の比率と特徴について
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概要
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我国では通常主治医が患者に癌告知をしないため新契約時の良性疾患の告知の中に悪性疾患が混入している。今回内臓手術既往のある申込例のほぼ全例の主治医の診断書を入手分析したので報告する。全例697例中悪性群は204例29.3%であった。以下胃手術群について報告する。悪性群の比率は女性・高年齢・臍下に達する手術痕例で高かった。入院日数の過少告知が悪性群に多い事・保障S5,000万超の高額での高い悪性群比率により逆選択を明らかにした。胃手術群で最も強く悪性を示唆するものは、検診による発見、胃部不完愁訴,発症-手術61〜100日,1年超の服薬・通院(75%以上)であった。反対に最も悪性が不定的なものは,穿孔,発症-手術10日以内,初診-手術5日以内,通院1年以内,入院20日以内(10%以下)であった。内臓手術例では悪性混入率が高く,新契約時には主治医の診断書が必須であるが,早期癌の比率も高く,悪性の種類・分化度, TNM分類の把握により付保範囲の拡大を図るべきである。
- 日本保険医学会の論文
- 1988-12-20
著者
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