〓葉標本を用いたカワラナデシコとシナノナデシコの交雑現象の電気泳動的解析
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概要
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筑波実験植物園において,カワラナデシコとシナノナデシコの間の中間的な形態的特徴を示す非常に多型的な一群のナデシコ属植物が新たに見出された。これら形態的中間型の実体と由来を明らかにするために,285個体のナデシコ属植物の〓葉標本を用い,エステラーゼ・アイソザイムを遺伝的マーカーとした電気泳動的解析を行った。その結果,(1)形態的中間型はカワラナデシコとシナノナデシコの雑種起源のものであること,(2)雑種個体とカワラナデシコとの間に戻し交雑が起きつつあり,これが高い形態的変異性をもたらしていること,が明らかになった。本研究は同時に,種子植物の〓葉標本からもアイソザイムが検出でき,さまざまな種生物学的問題を遺伝学的見地から解析できる可能性があることを示した。また本研究においては,電気泳動用サンプルを精製するにあたって新たに考案した簡便なゲル濾過法を採用し良好な結果を得たので,その詳細な手順についても記載した。
- 1987-12-25
著者
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