apo(a) isoform分析による動脈硬化性危険因子としてのLp(a)の臨床診断への応用
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概要
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血中Lp (a)濃度は,動脈硬化性疾患の増悪に密接に関連するとされている。そこで,我々は健常成人および血管性病変を含む糖尿病患者を対象として,Lp (a)濃度とその分子構成単位であるapo (a) isoformとの関係を解析し,動脈硬化性危険因子としてのLp (a)分子の臨床診断への有用性を評価検討した。健常成人のLp (a)値は,1.0〜150mg/dlと広く分布し,平均値は14.4±0.6mg/dlであった。これに対し,糖尿病患者では2.0〜89mg/dlと同様の濃度範囲を示したものの,平均値は25.0±2.2mg/dlと有意(p<0.001)に高値であった。また,健常人のapo (a) isoform解析においては,高分子isoformを有する例ではLp (a)値が低く,低分子isoform例ではLp (a)値が高いという傾向が認められ, isoform分子量とLp (a)値は反比例する関係を示した。しかし,糖尿病患者では,この傾向は認められず,多くが高分子量isoformにもかかわらず,高Lp (a)値を示していた。そこで,健常成人のapo (a) isoform分子量とLp (a)値との関係に基づく標準線を導き,糖尿病患者でのLp (a)を検討した結果,糖尿病性血管性病変を伴っていた患者の84.6% (22/26)において,その血中濃度が異常高値であることが判明した。
- 1998-06-30
著者
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高山 成伸
大東文化大学 スポーツ・健康科学部
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高山 成伸
聖マリアンナ医科大学病院横浜市西部病院特殊検査室
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松尾 純孝
北里大学医療衛生学部・臨床血液学
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高山 成伸
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院臨床検査部特殊検査・共同利用研究施設
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