北里大学病院におけるハイリスク手術症例のリスクファクターと麻酔管理上の問題点
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概要
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平成7年の1年間に北里大学病院で行われたハイリスク手術症例について,そのリスクファクター,麻酔管理上の問題点を検討した。中央手術部で行われた全手術は6032症例であり,このうちアメリカ麻酔学会の分類で4度以上のハイリスク症例は,172例(2.9%)であった。このうち,158例(91.9%)が緊急手術症例であり,予定手術症例は14例(8.1%)のみであった。緊急手術症例では,脳挫傷・挫傷性脳内出血,術後出血,腹部外傷,くも膜下出血・脳動脈瘤など,速やかに頭蓋内圧を減圧しなければならない症例,外科的止血をしなければならない症例が多かった。予定手術症例では,重症の感染症を起こしている疾患,先天性心疾患が多かった。重症例では,患者の術前状態を改善する余裕のないこと,術中の循環血液量・血圧の推持が極めて困難なことが麻酔管理上の問題点と思われた。手術中に心肺蘇生が行われた症例は8例(4.7%)であったが,これらはすべて緊急手術症例であった。
- 北里大学の論文
- 1996-06-30
著者
-
後藤 文夫
北里大学医学部・麻酔科学
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加藤 清司
北里大学医学部・麻酔科学
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小柴 健一郎
北里大学医学部・麻酔科学
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小柴 健一郎
北里大学医学部麻酔科
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小柴 健一郎
北里大学麻酔科学教室
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仲野 伸
北里大学医学部・麻酔科学
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檜垣 智彦
北里大学医学部・麻酔科学
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根本 千草
北里大学医学部・麻酔科学
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