ラット耳下腺腺房細胞の生後発生における5'-nucleotidaseの局在に関する電顕免疫組織化学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
外分泌腺の一種である唾液腺では,それを構成する細胞が分泌機能の発揮にむけて高度に分化して,細胞の極性や形質膜の局所分化などの構造的特性を備えて,全体として腺管構造という特有の形態をとっている。しかしこのような構造的特性がどのように生み出され,維持されているかは,いまだ十分に解明されていない。本研究ではラット耳下腺を用い,外分泌腺の腺管構造を構成する腺房細胞の形質膜局所分化の発生動態について,管腔側形質膜の特異的なマーカーとして知られる5'-nucleotidaseの分布動態を指標に,電顕免疫組織化学的に精査した。その結果,生後2日目までは腺房細胞には5'-nucleotidaseはまだ検出できなかったが,生後3日目になって腺房細胞が明確な管腔を囲んで1層に配列し,腺管構造が形成され,個々の腺房細胞の細胞内小器官の配列に極性が認められる時期に一致して, 5'-nucleotidaseは管腔側形質膜に検出されるようになった。それ以降同酵素の分布動態には変化は認められなかったが,既に報告されている電顕酵素組織学的研究の結果と比較検討することにより, 5'-nucleotidaseには分子種的に胎児型と成体型との2種が存在することが推定された。
- 北里大学の論文
- 1992-02-29
著者
関連論文
- 実験的内リンパ水腫動物モデルにおける蝸牛内リンパ電位(EP)の検討
- 実験的リンパ水腫動物モデルにおける聴覚の経時的変化の検討
- バセドウ病と気管切開術後瘢痕にて高度な気管狭窄を生じた1症例
- 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術の管理の問題点
- 実験的 Vasopressin 投与動物モデルにおける蝸牛血管条の形態変化
- 当院における耳硬化症の手術成績と聴力像について
- 右橋被蓋出血後に出現したocular myoclonusの一例
- 北里大学病院めまい外来の最近3年間のまとめ(診断名と患者の年齢について)
- 蝸牛外側壁の Arg-Vasopressin 投与による組織酸素分圧の経時的変化
- メニエール病のイソバイド療法 : 投与法の検討
- 低音部の急性感音性難聴に対する水分摂取治療 : 第2報
- Vasopressin 投与動物モデルにおける蝸牛内リンパ電位の経時的変化
- メニエール病を疑った小脳橋角部嚢胞症例
- 良性発作性頭位めまい症の回旋性眼振の垂直成分
- 良性発作性頭位めまい症の耳石置換法後に残る浮遊感について : 重心動揺検査による検討
- 特発性両側性進行性感音難聴と反復性めまい
- 良性発作性頭位めまい症の耳石置換法前後における重心動揺検査の比較
- 視標追跡眼運動と半規管眼運動の相互作用について
- めまい症患者に対する平衡訓練の効果
- ヒト卵形嚢斑形態の3次元計測 第2報
- ヒト球形嚢斑有毛細胞密度の検討(第3報)
- 平衡覚障害のリハビリテーション (特集 感覚障害のリハビリテーションの現状)
- メニエール病に対する水分摂取療法(Hydration Therapy)
- 潰瘍性大腸炎患者にみられた感音難聴
- 当科における聴力正常な聴神経腫瘍の検討
- ヒト球形嚢斑形態の3次元計測(第1報)
- ヒト球形嚢斑有毛細胞密度の検討(第2報)
- ヒト側頭骨標本における半規管クプラ,半規管壁に付着した好塩基性沈着物の検討
- コンピュータ支援3次元再構築によるヒト球形嚢斑の計測
- 同種移植鼓膜形成術の検討(第4報) : フィブロネクチンの有効性について
- 第154回:治療に抵抗した上顎 fibrous histiocytoma の1例
- 頭部外傷後の発作性頭位眩暈症の2症例 : 方向交代性頭位眼振の検討
- 北里大学耳鼻咽喉科めまい外来25年間の患者推移
- メニエール病の初期症状と予後
- ラット耳下腺腺房細胞の生後発生における5'-nucleotidaseの局在に関する電顕免疫組織化学的研究
- 17 眼振が減衰消失後に方向が逆転した頭位誘発性めまい症例
- 脊髄小脳変性症における重心動揺検査 : 特に3Hz周期の動揺について
- 蝸牛外側壁(血管条)の Arg-Vasopressin 投与による組織酸素分圧の変化
- 脊髄小脳変性症に対するTRH-T療法効果の重心動揺検査による短期間評価
- Histological immunohistochemical examination of the hyaline vascular type of Castleman's lymphoma.
- 下眼瞼向き自発眼振に flutter like oscillation を伴った小脳脳幹脳炎の一例