大腸癌切除術後の剖検施行症例における予後因子の病理組織学的検討 : 悪性度との関連について
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概要
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大腸癌切除術施行例で,剖検を行なった症例を対象に予後因子の抽出を病理組織学的に検討した。対象は98例で,その内訳は治癒切除術後に剖検された38例(A群),非治癒切除術後に剖検された35例(B群),治癒切除術後100か月以上の生存が確認されている25例(C群)である。1)A群とB群の間には深達度,リンパ節転移,リンパ管侵襲ともに差を認めたが,特に静脈侵襲の高度例がB群に多く含まれており,予後との関連性が強く示唆された。2)組織学的分化度別にみると高分化腺癌の術後平均生存期間は中分化腺病に比して良く,予後の良い群ほど高分化腺癌の占める割合が多かった。低分化腺癌では最も術後生存期間が長かった症例でも15か月であり,予後は不良であった。3)A群の剖検所見で血行性転移を認めなかった症例は5例(13%)のみで,この5例はリンパ行性転移を主体としていた。4)癌細胞の核DNA量を測定,aneuploidy patternの頻度について検討したが,組織型,生命予後の何れとも相関性を認めなかった。
- 北里大学の論文
- 1991-02-28
著者
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