当院救命救急センターにおける小児救急の現況

概要

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北里大学病院救命救急センターが三次救急医療施設として発足して以来6年が経過し,多種多様の救急疾患に対応してきた。この間に4701例の患者が受診し,うち900例(19.1%)は新生児を除く15歳以下の小児例であった。今回我々は,この小児例を対象としてまとめ,加えて時間外小児科受診患者との比較検討を行った。センターを受診する患者の外傷を除いた対象疾患分類では神経系疾患,急性腹症,異物・中毒など重症度の高い疾患例が多かった。時間外受診患者では喘息,上・下気道感染症,急性胃腸炎が多く,両者の間に相違を認めた。センター受診患者に軽症例の少ない点は依頼する医療機関および救急隊との協力体制が出来上がっているためで,当センターの機能を保つ上で良い結果であると考えられた。また,センター受診患者の死亡例については,受診後48時間以内に死亡する症例が50% (29例)もあり,小児救急では迅速かつ適切な対応と triage (重症度などのふるい分け) が必要である事を再認識した。
北里大学の論文
1986-08-31