サルモネラ感染時におこるIFN-γ産生について : II.マウス系統間におけるIFN-γ産生能の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウイルス誘発イソターフェロン(IFN-α,β)産生については,遺伝子(If locus)支配が知られているが,免疫インターフェロン(IFN-γ)産生については,検討もされていない。そこで,本実験はIFN-γ産生調節遺伝子の存在を調べる目的で IFN-γ産生糸として腸炎菌感染系を使って行ない,以下の結果を得た。(1)IFN-γ産生能にマウス系統差が認められたがIFN-γ産生能とH-2 haplotypeならびに性差との間に正の相関関係はなかった。(2)高反応性マウスと低反応性マウスを交配して得た雑種第一交(F_1)マウスは,高いIFN-γ産生を示した。(3)IFN-γ産生系におけるマウス系統差のパターンとIFN-α,β産生糸におけるそれとは異なっていた。(4)低反応性マウス由来のマクロファージ(Mφ)は, IFN-γ産生に際して,正常のantigen presenting能を示したが,その感作T細胞は, IFN-γ producing能を示さなかった。以上の成績から, IFN-γ産生を調節する遺伝子が, IFN-α,β産生調節遺伝子(Iflocus)と全く別に存在し,しかもdominantに伝播されること,そしてその遺伝子の機能発現の場が, T細胞であることなどが判明した。
- 北里大学の論文
- 1981-08-31
著者
関連論文
- 腸炎菌感染マウスに誘発された免疫インターフェロン : IV. Mφ-T細胞相互作用におけるH-2相同の必要性
- 腸炎菌感染マウスにみられるIFN-γ産生について : III.免疫インターフェロン産生調節遺伝子が存在する可能性
- サルモネラ感染時におこるIFN-γ産生について : II.マウス系統間におけるIFN-γ産生能の比較
- 高血糖モルモット家系の心電図について