口蓋形成術が顎発育に及ぼす影響に関する研究 : 特に口蓋粘膜弁法について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者らは口蓋形成術による上顎の発育障害に着目し,その予防対策を中心に新しい手術法を考案した。そこで,この手術法を実施した43症例について上顎石膏模型を作製し,経時的に観察するとともに,健常児14名の上顎石膏模型とも比較して上顎の発育の様相を検討した。その結果,以下の2点を明らかにし得た。1.歯槽弓の長径は裂形を問わず術後も増加傾向が引きつづき良好に維持されていた。2.歯槽弓の幅径は裂形を問わず術後は増加傾向が停溜し,わずかに減少傾向を示すものも認められた。従来の手術法では術後,歯槽弓長径,幅径とも減少することが知られており,本法において歯槽弓長径の発育が維持されていた点は本法が術後の上顎の発育障害を防止する上で有効な術式であることを示していた。本編では歯槽弓の長径,幅径からみた上顎の発育について考察し,口蓋形成術,特に本法が上顎の発育に及ぼす影響について文献的考察を加えて言及してみたい。
- 北里大学の論文
- 1981-06-30
著者
関連論文
- 重度顔面先天奇形に対する,cranio-facialsurgery, maxillo-facial surgeryによる顔面骨切り術の経験
- Microvascular Surgeryの基礎と臨床
- 巨大な悪性多形性腺腫 (carcinoma in pleomorphic adenoma) の手術経験
- 口蓋形成術が顎発育に及ぼす影響に関する研究 : 特に口蓋粘膜弁法について
- The use of lateral rotation flap in limbs especially fingers