腎不全状態のFast Hemoglobin (Hb A_I)に及ぼす影響についての研究 : 尿素によるHb A_Iの生成
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概要
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腎不全状態のHemoglobin (Hb) A_Iへの影響について検討を行なった。OGTTが正常型あるいは境界型を示し,かつ,あらかじめ設定したHb A_Iの上昇をきたさないための血糖値の基準を満足する非糖尿病性慢性腎不全・非透析例について,Trivelliらの方法によりHb A_Iを測定した。対照群に比しBUN 50mg/dl以上の腎不全群ではHb A_Iの有意の高値を認め,Hb A_IとBUNとの間に正の相関(r=0.83, p<0.0001)を認めた。健常人赤血球を100mg/dlブドウ糖及び尿素窒素として100〜500mg/dlの尿素を含むmedium中でincubationした際のHb A_I値は,尿素濃度との間にr=0.99(p<0.0001)の正の相関を示した。尿素以外のuremic toxin添加によるHb A_Iの増加は認められなかった。以上より,高濃度の尿素の存在によりHb A_Iが生成されることが示された。したがって,腎不全例ではHb A_Iの評価に際し,高尿素血症の影響を考慮する必要があると考えられる。
- 北里大学の論文
- 1980-12-31
著者
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