現代文明の危機と新しい経済
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概要
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現代文明の危機と新しい経済 新古典派総合以後の経済学は,1970年代・1980年代の経済の現実の変動に対応して,新しい展開をとげつつある。そうした理論と現実において,本論では,次の三つの流れに注目している。第一の流れは,ウイリアムソン,O. E.に始まる企業の取引と組織の理論展開であり,今日では,企業多国籍化の理論と情報経済論にまで発展している。第二の流れは,ポラト,M. U.に始まる情報経済論であり,今日では,情報システムとネットワークをキーワードにした,例えば今井賢一や新田俊三の業績としてある。第三の流れは,開発経済理論であり,そこでは,国家や国民や国民経済という概念の再検討がおこなわれている。以上の流れにおけるキーワードは,グローバリゼイション・ボーダーレス・情報化・市場経済化である。そして,ここで新しい経済というのは,イギリス産業革命以来の資本主義とは異質な高度科学技術,とりわけ情報技術革新下にある市場経済であり,ロシア革命以来の社会主義とは異質なソ連・東欧・中華人民共和国の経済の実態であり,植民地状態から脱却した新興工業諸国の経済なのである。これらの新しい経済のなによりの特徴は,情報システムをもった市場経済であるという点にある。この市場経済は,情報ネットワークの発展によって全世界に拡散しつつある。
著者
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