岩手県における大規模土地改良区の運営に関する経済分析
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概要
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基本法農政のもとで、農業経営は労働節約、資本使用的に変化した。土地基盤整備もそれを助長する性格を帯びていた。圃場整備によるトラクターの作業の効率化、灌漑水管理の省力化がその例である。本論の主たる目的は、岩手県における大規模土地改良区の運営実態を通して、土地改良区の抱える問題を明らかにし、今後の土地基盤整備のありかたについて考察することにある。 そのために、岩手県内の北上川流域土地改良区の運営実態を分析し、大規模土地改良区である鹿妻穴堰土地改良区と豊沢川土地改良区の運営上の特徴を比較して、問題の所在を明らかにする。この二改良区の運営には対照的な相違がある。それは、おかれている自然的条件を反映している点もあるが、土地基盤整備政策の受け止め方の相違による点も大きい。土地改良法改正に伴う稲作の社会間接資本整備は、農家の低負担のもとで促進してきたが、現在ではこれを一層充実させるような傾向が見られない。専業的稲作農家が土地基盤整備事業を導入する姿勢が希薄である。今後の日本稲作のありかたを考察するうえで重要な問題のひとつは、基盤整備事業のなどの社会間接資本整備とそれを受容する農業経営のありかたにかかわっている。
- 2004-02-10
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