ぎざぎざの鋸岩と、尖った断岩 : ブラム・ストーカー作『ドラキュラ』における風景描写
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概要
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プラム・ストーカー作『ドラキュラ』(1897) は、ゴシック小説と旅行文学というふたつのジャンルの書き物を土台としているが、本稿では、その関係性の新たな側面を示すことを試みる。そのために、『ドラキュラ』に見られる突兀峨々な風景描写を、十八世紀に流行したピクチャレスク美学を鑑みつつ吟味し、十九世紀に出版された旅行文学やゴシック小説のなかの風景描写と比較する。ストーカーが、第一作目の小説『蛇峠』(1890) で使った技法を、『ドラキュラ』を執筆したときにはどのように発展させていたかについても論じる。「蛇峠』の語りは、アイルランドを題材とした旅行ガイドの因習に則ったものである。『蛇峠』を経由した、アイルランドを扱った旅行文学と『ドラキュラ』の間の関係が検証される。
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