マネジメントにおける管理過程学派の特質と史的展開
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概要
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本稿は、管理学ないしは経営学の体系としてマネジメントを捉えるとともに、特に経営組織あるいは経営管理という重要な分野に影響を及ぼす「学派」に関して言及し、その検討と分析を課題として取り扱うものである。その方法としては、諸学派を上げてこれに学説や理論を羅列するということはせず、特定の学派に特に絞り込んで、その理論体系や特質を、歴史的展開に関連づけながら論じていこうとするものである。このような言わば経営学史の視点に立脚して本稿が取り扱うのは、諸学派のなかにあって、既に1世紀の歴史・伝統を有せんとする「管理過程学派」の特質と史的経緯である。この学派を今回特に検討していく理由は、現代の経営学関連分野における幾多の「理論」や「学説」が、出現するや否や数年ともたずして、あたかも泡の如く消滅していくという現実に照らしても、「管理過程学派」を再検討しておく価値が、充分にあると判断したことによるためである。勿論、そうであるからとて他の学派を否定したり批判したりすることを、本稿の主旨とするものではないことは、述べるまでもないことではある。かつて、「管理過程学派」を自認するハロルド・クーンツ (Harold Koontz) は、1961年にマネジメントの当時の情況を捉えて「マネジメント理論のジャングル」のようであると論じきったのは、余りにも有名である。それでは、彼の属する「管理過程学派」とは、そもそもいかなる本質を有するものであるのか、その論理構造を明らかにしていくとともに、現代に到るまでの影響などに関して、具体的に論者をとりあげるのと同時に、問題点や変更点などがそれでは全く無かったのかなどについて、論じていくのが、本稿の主旨である。
- 跡見学園女子大学の論文
著者
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