「子どもをインターネットから保護する法律」最高裁判決と公立図書館 : 図書館でのインターネット・アクセス提供に関して
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概要
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本稿は, 「子どもをインターネットから保護する法律」にたいしアメリカ図書館協会などが提訴していた裁判の最高裁判決を検討するものである。最高裁判決では地裁判決を覆し, 原告アメリカ図書館協会側は敗訴した。この判決の相対多数意見では, 地裁判決で認められたパブリックフォーラム論が否定され, 図書館における資料提供は伝統的に図書館員の裁量権のもとにおかれてきたためインターネットの情報に関しても制限は当然であるとされた。そして, フィルターソフトを無効にすることが容易に可能であるがゆえに, この制限のために憲法上の争いは起こらないとされた。本稿ではこの判決を検討し, 確かに図書館協会側の敗訴ではあるものの, その法廷意見を詳細に見るとこれからインターネシト情報を図書館で提供するにおいて示唆に富む意見があることを指摘した。
- 大阪教育大学の論文
- 2004-09-30
著者
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