教師の教育経験は学習者の発話評価にどのような影響を及ぼすか
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概要
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本研究は教師の教育経験の多少が学習者の発話評価の際にどのような影響を及ぼすかを調査するものである。現職の日本語教師40名に、OPIのサンプルテープを聞いてもらい、全体的評価、分析的評価をしてもらった。分析的評価の際には、テキストタイプ、文法、音声、語彙、流暢さ、機能、内容の7項目についての評価を実施した。また、発話評価の際に何に着目しているのかを自由に記述してもらった。結果として、分析的評価で、中級テープの文法において、教育経験の少ないグループの方が経験の多いグループに比べて評価平均点が高くなるという点で有意差が見られた。しかし、上級テープの評価では7項目いずれにおいてもグループ間に評価平均点の差は見られなかった。また、教師の自己基準に関しては、文法、音声、語彙を経験の多いグループと少ないグループの両方が高い割合で評価項目として挙げていた。この結果を先行研究 (Hadden, 1991 ; Okamura, 1995) を参考に考慮すると、教師は教育経験を積むにしたがって文法に関する項目内の知識の量が増え、より詳細な評価基準を身につけていくと推測される。ただし、これは中級テープの評価に関してのみに言えることで、教育経験の多い教師が全ての習熟度において詳細な評価基準を身に付けているとは言えない。
- 神田外語大学の論文
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