短時間の評価トレーニングが教師の発話評価に及ぼす効果
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概要
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教育現場において教師が学習者の発話を適切に評価することは極めて重要であるという観点から、本研究では教師の評価技能を高めることを目的として、現職の日本語教師40名に30分の評価トレーニングを行った。トレーニングでは、ACTFLスピーキングガイドラインをもとにした評価基準を応用した講義と、録音された学習者発話を聞いて実際に評価する実技練習を行った。トレーニング前後に、事前テスト・,事後テスト方式で、学習者発話評価タスクと評価者の内省コメントにより収集したデータを比較分析した。その結果、教育経験の多少に関わらず、いずれのグループにおいても標準偏差は大きくなり、トレーニング後の内省コメントでは、トレーニングを受けた後に混乱が生じたという報告が多数見られた。これらの結果から今回のトレーニングで使用した教材、指導内容、トレーニングの実施者の指導技術などが評価技能を向上させるには適切ではなかったと考えられる。以上の反省点をもとに、今後はトレーニングの際に、トレーニング内容を実施回数や時間を増やすといった量的なものと、指導方法や教材といった質的なものをともに改善し、さらなる研究の実施が望まれる。
- 神田外語大学の論文
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