<症例報告>ウェストファル現象が著明なパーキンソン病患者の転倒原因の検討 : 背理性筋収縮による筋疲労への着目
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概要
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200m程度の歩行で頻回に転倒するウェストファル現象が著明なパーキンソン病患者の転倒原因を探った。方法は, 症例に200m歩行させ, 歩行開始直後と歩行終了直前の右側前脛骨筋(TA), 腓腹筋の表面筋電図(EMG)と足関節角度を測定, 比較した。また, 歩行前後に同側のTAの最大等尺性収縮の50%(50%MVC)時のEMGを測定し, 歩行前後の筋電図積分値(iEMG), 平均パワー周波数(MPF)を比較した。結果, TAは1strideを通じて持続的に活動し腓腹筋の活動は乏しかった。足関節角度は歩行開始直後では常に背屈位であったが, 歩行終了直前では遊脚期で底屈傾向となった。また, 歩行前後のTAの50%MVC時のiEMGの比較では歩行後が有意に高値となり(P<0.05), MPFの比較では歩行後が有意に低値となった(P<0.01)。これらより本症例では, 背理性筋収縮に起因すると思われるTAの持続的な収縮が筋疲労を招き, 200m歩行程度で遊脚期の足関節背屈保持が困難となり転倒するものと考えられた。
- 県立広島大学の論文
著者
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石倉 隆
柴田病院 リハビリテーション部
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鶴見 隆正
広島県立保健福祉大学
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石倉 隆
広島県立保健福祉大学 理学療法学科
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清水 ミシェル
広島県立保健福祉短期大学理学療法学科
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鶴見 隆正
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
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石倉 隆
医療法人柴田病院リハビリテーション部
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清水 ミシェル
広島県立保健福祉大学保健福祉学部理学療法学科
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清水 ミシェルアイズマン
広島県立保健福祉大学 保健福祉
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鶴見 隆正
神奈川県立保健福祉大学
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