<原著>特別養護老人ホーム入所高齢障害者の知的及び身体的能力に及ぼすレクレーション活動への参加頻度の影響
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概要
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特別養護老人ホーム(以下, 特養)入所高齢障害者に対し, 個々に理学療法が実施されることは少ない。グループによるレクレーション活動はよく実施されるが, この分野における研究はほとんど見当たらない。レクレーションプログラムへの参加頻度が知的および身体的に及ぼす効果は未だ明らかにされていないため, レクレーション活動への参加頻度が特養入所高齢障害者の知的及び身体的能力に影響を与えるかどうかについて研究を行った。平均年齢80.2歳の43名の被験者を二つのグループに分け, 1年間調査を行った。A群被験者は, 月平均1.5回のレクレーション活動に参加し, B群被験者は月平均12回のレクレーション活動に参加していた。グループでのレクレーション活動は, お経, 手工芸, ベンチサッカー, 風船バレーとゲームであった。改訂版長谷川式簡易知能スケール(以下HDS-R)を被験者の知的能力の測定に使用し, 機能的自立度評価(以下FIM)を身体的許容能の測定に使用した。Wilcoxonの順位和検定を群間及び期間での差の検定に使用した。HDS-RとFIMの相関についてはSpearmanの相関係数を用いた。開始当初, A群及びB群間のHDS-Rスコアに有意差は認められなかった。しかし一年後B群と比較しA群被験者のHDS-Rスコアが有意に低いのみでなく, 最終調査時でA群のスコアの有意な減少を示した。FIMスコアについては, B群と比較しA群において調査開始時に有意に低い値を示し, 最終調査時においては有意に減少していた。A群被験者における精神及び身体的能力間の関係は, 調査開始時点では有意差を認めたが最終時は有意差を認めなかった。B群被験者のHDS-RとFIMの両スコアは, 調査期間を通して同じレベルを維持していた。身体的活動を含むレクレーションプログラムにおいて, 活動的要素を取り入れることは, 特養入所高齢障害者の知的及び身体的機能の低下防止に役立つ可能性が考えられた。
- 県立広島大学の論文
著者
-
新井 光男
広島逓信病院理学診療科
-
柳沢 健
東京都立保健科学大学 保健科学部 理学療法学科
-
坪井 章雄
国立病院呉医療センター附属リハビリテーション学院
-
坪井 章雄
国立呉病院附属リハビリテーション学院
-
清水 ミシェル
広島県立保健福祉短期大学理学療法学科
-
坪井 章雄
国立呉病院
-
柳沢 健
東京都立保健科学大学理学療法学科
-
清水 ミシェル
広島県立保健福祉大学保健福祉学部理学療法学科
-
柳沢 健
東京都立保健科学大学保健科学部理学療法学科
-
新井 光男
広島厚生病院リハビリテーション科
-
清水 ミシェルアイズマン
広島県立保健福祉大学 保健福祉
-
新井 光男
広島逓信病院
-
柳沢 健
東京都立保健科学大学
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