言語的思考における抽象作用の発達的研究(IV) : 機能水準の吟味,その1・その2(第1部)
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概要
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本節実験の目的は,前節のそれに引き続き,概念・前概念・知覚的各抽象ならびに非解答の4カテゴリーについて,それら相互の有機的連関をたしかめることにある。実験は,幼稚園児20名(男子10名,女子10名),小学2年生36名(男子19名,女子17名),小学4年生39名(男子18名,女子21名),小学6年生48名(男子24名,女子24名)を被験者として,3物間に知覚的水準の類似性が構成し難い実験材料を用い,(3物聞の)共通点の抽出を行なわせ,知覚的水準の統制が,他の3つのカテゴリーにどのような影響を及ぼすかについて検討する。その結果,(1)各カテゴリー別の年令的変化は,前諸実験と同様な傾向であること。(2)知覚的水準統制の影響は,学年(年令)によって一様ではないこと。低年令児においては,知覚的段階に連関した非解答や前概念的段階への影響が強く,小学4年生,6年生の如く,抽象作用の発達の進んだ段階では,むしろ高次な抽象段階(概念的抽象)への刺激が強まること。(3)知覚的水準の類似性が構成し難い材料(3物)は,幼児期を除けば,類概念形成を刺激,促進させること。(4)ただし本丸験[3物(P-I)間]と,実験2[3物(A-R)間]との差は,実験4[2物(P-I)間]と,実験1[2物(A-R)間]との差の場合ほど開いていないこと。が明らかとなり,実験仮説が証明されるとともに,概念・前概念・知覚的各抽象および非解答の4カテゴリーは,発達的,機能構造的に連関のあることが実証される。
- 千葉大学の論文
- 1968-06-30
千葉大学 | 論文
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