意思決定における文脈効果 : 魅力効果、幻効果、および多数効果
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概要
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二つの選択肢に対する選好は、第三の選択肢が他の二つより優れていても劣っていても、その存在により影響を受ける。範囲頻度仮説によれば、これらの現象は選択肢の属性カテゴリーが変化するために生じると考えられる。支配価値仮説では、支配的な選択肢には選択を正当化しやすいという付加価値が生じると主張する。トレードオフ対比仮説と極端嫌悪仮説は、第三選択肢を他の二つと比較することによって、選択肢の相対的なメリットが変化するためだと仮定する。本研究では、これらの現象は両価的評価における中立点の移動と負効果により生じることを提案した。研究1と2では、それぞれ148名と137名の大学生に対し、仮想的意思決定課題に回答を求めた。その結果、劣位選択肢(魅力効果)や優位選択肢(幻効果)と同様に、同一選択肢(多数効果)の場合にも、それらが入手困難なときには標的の選好が上昇することが明らかにされた。これらの結果は、評価の両価性仮説を支持すると考えられる。
- 2003-03-31
著者
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