膝前十字靭帯再建術における骨孔内固定部位に関する生体力学的研究

概要

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目的 : 膝前十字靭帯再建術において, 移植腱固定部位である骨孔内部での移植腱と骨孔の固着性に関して生体力学的解析を加えた。方法 : 微小X線マーカーを材料内に留置し, 各荷重条件下でのX線画像を解析する事で, 組織内部の任意のマーカー間の変位や歪みを測定する方法を考察し, radiographic dimension analysis 法 (以下, RDA法) と名付けた。膝前十字靭帯再建術モデルとして雑種成犬膝18膝を用い, 骨付き膝蓋腱を interference screw 固定した群 (A群), 骨付き膝蓋腱を post screw 固定した群 (B群) と膝蓋腱を post screw 固定した群 (C群) の3群を作成した。移植腱と骨孔にX線マーカーを留置し, 40Nまでの段階的な張力を加え, 骨孔と移植腱の変位 (graft tunnel motion : GTM) と移植腱内部の歪みをRDA法を用いて測定し, 3群間で比較した。結果 : GTMは3群間に有意差を認め, A, B, C群の順に変位量は増大していた。また, 移植腱の歪みに関しては, 関節内部分は3群ともほぼ同様であったが, 骨孔内部ではC群で有意に大きな歪みを認めた。結論 : 従来の方法では測定できなかった骨孔内部における骨孔と移植腱との変位や歪みがRDA法により測定可能となり, 移植腱の固定法や移植腱の種類が, 再建直後の骨孔内での移植腱の安定性に影響を及ぼす事が明らかとなった。
2000-12-20

膝前十字靭帯再建術における骨孔内固定部位に関する生体力学的研究

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