白血病細胞におけるc-kit遺伝子発現の検討及び臨床応用
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概要
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c-kit遺伝子は初期造血に重要な役割を果たしているレセプター型チロシンキナーゼをコードしている。このc-kit遺伝子の発現は骨髄細胞性,巨核芽球性白血病細胞から樹立した細胞株で検出され,それらの細胞の分化とともに減少した。c-kitレセプター蛋白の発現はFlow cytometryを用いた解析で,遺伝子の発現と相関する結果が得られた。急性の造血器悪性疾患40例の細胞からRT-PCRを用いてその発現を検討したところ,未分化なタイプの白血病(FABのM1,M2)に強く検出され,リンパ球系の細胞からは検出されなかった。このように細胞におけるc-kit遺伝子や,その蛋白の発現を検討することは,その細胞の分化段階,系統を決定するうえで有用であり,白血病の診断,予後の決定,治療法の選択等に重要な情報となることを推測させる。
- 千葉大学の論文
- 1997-10-01
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