胃癌の大腸転移の画像診断
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概要
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胃癌の大腸転移の診断能を注腸とCTで比較検討した。対象は大腸に転移をきたした胃癌60例(男32例,女28例,平均53歳)で,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状結腸,直腸の5部位に分け合計121病変に検討を加えた。注腸は二重造影法を用い,収束像や狭窄像を転移ありと診断した。CTは,経静脈性および経口的に造影剤を投与後施行し,経肛門的には造影剤を投与しなかった。CT所見としては大腸壁の厚さ5mm以上を転移ありと診断し,腹水や腹膜腔内転移所見(腹膜腔内腫瘤や腸間膜肥厚など)の有無についても検討した。大腸転移の診断能が注腸とCTで同等であったものは49例(103病変)であった。1例(1病変)では,CTが注腸よりも優れていたが,10例(17病変)では,注腸がCTよりも優れていた。進行した転移の場合には注腸とCTで診断能が同等であることが多く,限局した転移の場合には,注腸がCTよりも診断能に優れることが多かった。胃癌の大腸転移は直接浸潤や腹膜腔内播種によることが多いが,CTにてこれらを示す腹膜腔内腫瘤,腸間膜肥厚,腹水などを15例(25%)で認めなかった。大腸転移が存在しても,CTで大腸壁の肥厚・腹水・腹膜腔内転移などの所見が認められないこもがあり,臨床的に大腸転移が疑われる場合には,CTが正常であっても注腸を施行することは意義があると考える。
- 千葉大学の論文
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