ドイツ版NPMの10年 : 新制御モデルの成果と限界
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概要
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1990年代のドイツの自治体では、「新制御モデル」(以下NSM)という改革理念に則った行財政改革が席巻し、ほとんどすべての自治体がこのモデルに即した何らかの改革手法を導入するほどの状況を生み出した。このモデルの発表から約10年を経た今日、90年代の熱狂からはやや醒めたように見え、改革の停滞や変質も垣間見られる。本稿では現段階におけるNSM改革の到達点や残された課題などを概観する。とりわけ自治体の財政難がモデルの適用のあり方を歪め、経費削減の手法に矮小化させるという問題が明らかになる。その上で、その後付加された外的要因または社会経済的変化によって、モデルが修正を余儀なくされてきた状況を捉える。それは第一にEUの市場開放圧力の下での自治体公企業分野の再編であり、第二には市民参加や非営利団体の台頭に即した自治体における意思決定・事務事業執行方法をめぐる枠組みの転換である。
- 京都府立大学の論文
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