筋萎縮性側索硬化症における筋核磁気共鳴画像(MRI)の検討
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概要
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筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;ALS)の診断は,厚生労働省の診断基準に基づいて臨床症候,電気生理学的所見,病理学的所見などを基に総合的に判定して得られる.近年では,頭部核磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging;MRI)上,内包後脚を中心として錐体路に一致して出現するT2高信号域が異常所見として報告されている.一方,筋MRIにおける筋内信号強度の上昇は,炎症および浮腫性変化を反映していると考えられている.非典型的なALSでは臨床症候と検査所見からだけでは他の疾患との鑑別が困難なこともあるため,今回我々は,ALS患者の下腿筋MRIについて検討した.対象は,ALS患者10例で男性7例,女性3例からなり,平均年齢は,68.6±11.2歳(49〜87歳)である.発病初期より球症状が顕著な症例が1例,筋力低下が上肢に強い症例が3例,下肢に強い症例が6例あった.9例に下腿筋MRI,10例に針筋電図と末梢神経伝導検査を施行した.発病初期の筋力低下が下肢に強い6例の筋MRI・T2強調画像において筋内信号強度の上昇を認めた.それに対して筋力低下が上肢に強い症例や球症状の顕著な症例では,筋MRIの筋内信号強度は正常であった.また,筋内信号が上昇していた6例のうち5例における腓骨神経電気刺激で,複合筋活動電位の著明な振幅低下を認めた.ALS患者における筋MRI・T2強調画像の信号強度上昇は,脱神経後の浮腫性変化を反映していると考えられるため,ALS患者の病期判定や他疾患との鑑別が困難な場合の補助検査のひとつとして筋MRIは有用である.
- 2005-03-31
著者
-
黒岩 義之
横浜市立大学医学部神経内科学
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黒岩 義之
横浜私立大学医学部附属病院神経内科
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黒岩 義之
横浜市立大学医学部神経内科
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黒岩 義之
横浜市立大学一般外科
-
黒岩 義之
東大和病院 神経内科
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黒岩 義之
横浜市立大学大学院医学研究科神経内科学・脳卒中医学部門
-
黒岩 義之
横浜市立大学神経内科
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黒岩 義之
横浜市立大学医学部附属病院神経内科
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黒岩 義之
横浜市立大学附属病院神経内科
-
馬場 ゆり
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター神経内科
-
黒岩 義之
横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター
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