軽度の抑うつ状態の女性に対する認知へのアプローチ
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概要
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昨今,うつ病は軽症化し潜在化する傾向にあり,実際にうつ状態に陥っていても,なんとか社会生活をこなしている人々が多数存在すると推測される。しかし,なかには遷延化,重症化するケースもあることから,これらの人々への早期の対応が求められている。また,うつ病の治療として発展してきた認知療法は,軽度のうつ状態の場合にも有効であると考えられているが,日本の場合,実践報告がまだ少なく,有効性も十分に検討されていない。そこで,今回,日常生活に特に支障をきたすほどではないが,何らかの問題を抱え,軽度の抑うつ状態にある女性2名に対して,認知療法によるアプローチを試みた。その結果,それぞれのケースにおいて,面接の進行状況,問題の解決状況,抑うつ状態の改善等に違いはあるものの,どちらも認知療法で用いられる自動思考の検討・修正,行動面への介入などで,いくらかの効果を示した。これにより,今後,軽度のうつ状態の人々への認知療法の適用の可能性は少ないながらも拡大するものと思われる。
- 聖路加看護大学の論文
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