『菅家文草』の速詠
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概要
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『菅家文草』巻五・四〇一以下の速詠詩 (一時に二十首の五言律詩を詠む) を近体詩としての諸規則 (平仄・粘法・押韻等) を遵守しているかを調査。其の結果、概ね律詩の作法を守っており、彼の詩才を十分に発揮していることが判明した。数ヶ月前に詠まれた十首の速詠詩とともに五十一歳の円熟期の良き思い出の一齣として作品の中に収められたであろうと推察した。更に、十首の速詠詩中の三九四「柳絮」の詩は唐の鄭綮の濡橋之詩思のエピソードを利用して作られた可能性が有ることを「雪」「柳」「風」「詩思」と「詩情」との共通性から指摘した。様々な形で唐代の流行がほぼ時を同じくして日本にもたらされていた一例であろう。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文
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