「公物」からコモンズへ : 河川行政における流域主義の展開過程とその可能性(現代的ネットワークにもとづく流域社会の再構築の可能性 : 京都府美山町を事例として,I共同研究)
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概要
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1970年代(昭和40年代後半)以降の日本の河川行政は,その行政パラダイムを根本的に転換しようと試みてきた。このパラダイム転換は,河川流域における生物学的な多様性の保全とともに,豊かな人文・社会的かかわりの再構築を目指している。本稿では,そうした河川行政におけるパラダイム転換を「流域主義」と呼び、その過程を辿りながら,「流域主義」の掲げる政策理念と「現場」の実務環境との間にいかなるギャップがあるのかを分析する。その際に,農業政策における「環境」関連事業の取り込み過程を比較対象として取り上げる。そして,流域を目指した河川行政のパラダイム転換は,河川の位置づけを「公物」から「コモンズ」へと不可避的に変化させつつあり,そのことは,河川行政のあり方に対して,たんなる「管理行政」から「調整行政」への脱皮を要請しているのだと結論づける。
- 龍谷大学の論文
- 2005-03-25
著者
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