中学校社会科における教科書記述の論理と授業の論理(2) : 「教科書を教える授業」の場合(I.教育科学系)
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概要
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本稿では,社会科の教科としての性格と実態に即して教科書と授業の関係を整理し,「教科書で教える授業とは教科書の論理構造をより上方向へ抽象化・普遍化するよう成長させる授業」,「教科書を教える授業とは,教科書の論理構造をより下方向へ具体化・個別化するように成長させる授業」という概念規定を行うとともに,それらの論理構造の成長モデルを示した。そして,そのモデルに即して,中学校社会科授業と教科書の関係を整理した。社会科教育において「教科書を教える授業」,「教科書で教える授業」という概念規定を用いることは,教科書と授業の関係を論じる際に有効であり,後者が前者よりも優れた授業であるという前提で考えるべきではない。これらの概念規定は,あくまでも教科書と授業の相対的な位置関係を整理するものとして活用すべきであり,すでに教科書を読んでいる子どもにとって学ぶ意味のある社会科授業を成立させるための授業作りの二つの方向性ととらえるべきである。
- 千葉大学の論文
- 2005-02-28
著者
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