転成名詞の文中での意味のあり方 : 「たのし・さ」と「たのし・み」(一般研究分野)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語の転成名詞のなかには、動詞から転成した「うごき」「ながれ」などのほかに、「ひと」や「もの」の性質や状態をさししめす形容詞から転成した「たのしさ」「たのしみ」、「かなしさ」「かなしみ」などがある。これらの形容詞は、「たのしい」や「かなしい」というイ形容詞の語尾「い」を、「さ」や「み」にかえることによって、それぞれの性質や状態をあらわす二つの名詞に転成する。このように二つの名詞が登場すると動詞派生の転成名詞に比べ、その意味機能の異同を明らかにしなければ、それぞれの使用に支障をきたすことになる。特に第2言語として日本語を学習するばあい、母語話者の習慣として定着する言語使用とは異なった語彙的な意味理解や使用方法の理解が必要とされるのである。本稿はこのような形容詞派生の転成名詞を一例に、連語論の観点から「転成名詞の文中での意味のあり方」をさぐる試みである。
- 2005-01-31
著者
関連論文
- 文学の文法的読み方 : 『吾輩は猫である』をめぐって
- ACTFL-OPIによる一考察(2)
- ACTFL-OPIによる一考察(1)
- 転成名詞の文中での意味のあり方 : 「たのし・さ」と「たのし・み」(一般研究分野)