精神障害者家族が経験する困難に対する対処行動に関連する要因
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概要
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本研究の目的は精神障害者家族が当事者のケアを続けていく中で経験する困難と対処行動、および対処行動に関連する要因を明らかにし、家族が困難を乗り越えていくために必要な看護専門職の支援について検討することである。 40代から80代までの精神障害者家族17名に対し、半構成的な面接を実施し、対象者それぞれについて、発病前後、発病前後から現在、現在の経過の中で、(1)家族が経験する困難、(2)対処行動、(3)対処行動に関連した要因に関する内容を取り出し、それぞれについて類似したまとまりごとにカテゴリー化し、さらに類似したものを集めて大カテゴリーとした。その結果、家族が経験する困難には、それぞれの時期ごとに【本人についての困難】【家族についての困難】があり、家族は【家族に関すること】と【家族外からの支援】がきっかけとなり、【相談・支援を得る】【社会資源の活用】【家族自身による対処】【家族なりの対処】を行っていた。以上のことから看護専門職の支援として、精神疾患についての正しい知識と対応方法についての情報提供や、各関連機関、職種の連携、調整を図ることが重要であることが確認された。