堆肥の広域流通の可能性に関する研究 : 岐阜県における堆肥生産・需要の試算と堆肥センターの役割(社会科学)
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概要
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岐阜県における堆肥生産・需要の試算を行い,また堆肥センターの経済的性格を考察することにより,堆肥の広域流通の可能性を探った。主な結果は,次のとおりである。1.岐阜県内の「堆肥生産量」と「堆肥の農地還元容量(還元可能量)」については,堆肥生産量は農地還元容量の27.8%を占め,また畜産業がさかんな地域ではそれ以上の値を示し,理想的な全県的有機農業を想定すれば,明らかに堆肥は不足している。しかし現実の堆肥投入量は,この理想量の約1割と推計され,その限りで過剰である。つまり畜産公害が局地的に多発している。このため堆肥の広域流通と全県的な有機農業の推進が必要である。2.堆肥センターの事業費に,建設事業費の減価償却費相当額とJA正職員人件費を含めた場合,支出が収入を大幅に上回ることになり,堆肥センター建設には公的補助が不可欠で,またJAの運営参加(人件費負担など)も不可欠である。このため,堆肥センターは(1)製品の差別化と市場開拓による収入の増大,(2)JA正職員人件費の削減,(3)建設更新時における補助事業の継続,などの課題を抱えている。3.広域流通の整備のためには,(1)JA,行政を主体とした堆肥センターの整備,(2)簡易流通のための堆肥の粒状化など輸送形態の開発・改良,(3)JA経済連及び単協レベルでの広域流通体制の整備,(4)耕種農家への堆肥使用の普及,(5)有機農産物の飛躍的拡大のためのJAと生協の協同組合間協同や自治体を加えた協官民一体の運動,などが課題である。
- 岐阜大学の論文
- 1997-03-21
著者
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