質的調査に関わる教育課題とは何だろうか : 他者の「痛み」への感受性をめぐって
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概要
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調査のフィールドとは調査者がさまざまな人と出会い,さまざまな反応に直面する中で定まっていく動的なものであり,調査者が一方的に決めることはできない.インタビューによって得られる「語り」とは常に動的な関係性の中で構成されたものであり,インタビューする側とされる側との関係性次第でいかようにも変わりうる.ライフヒストリー研究には,これまで無視され,聞かれることのなかった被差別者やマイノリティの声を聞き取れるという利点がある.この利点を活かした場合にこそ,質的調査というアプローチは大きな意味を持ってくる.他者の「痛み」への感受性が要求されるという意味で質的調査は「臨床」の領域と親和的である.これらのことが教育課題にも反映されねばならない.
- 2005-03-31
著者
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