組織市民行動を規定する集団的アイデンティティ要因と動機要因の探究 : 職場集団と大学生集団との比較から
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概要
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本研究では, 職場集団と大学生サークルを通して, 組織市民行動とモチベーションの源泉尺度 (MSI), 集団的アイデンティティの関連が論じられた。特に, モチベーションの源泉尺度における内因的な過程, 内的自己概念, 外的自己概念, 道具性という4つの下位概念を用いて, 組織市民行動が行われる動機について検討された。職場においても大学生サークルにおいても, 組織市民行動と内因的な過程動機の負の関係性, 組織市民行動と内的自己概念動機の正の関係性が確認された。道具性動機と組織市民行動では, 職場においてのみ有意傾向での正の関係性が示された。大学生サークルでは集団的アイデンティティと組織市民行動, モチベーションの関連がみられたが, 職場においては集団的アイデンティティと他の変数との関連がまったくみられなかった。これは, 職場という組織は大学生サークルと異なり, 収入を得るためにはいずれかの職場集団に所属しなければならないという, 少なくとも幾分かは強制的に属さなければいけない組織であることが影響するためと考えられた。組織市民行動が行われる動機は, 組織の性質や状況により異なる点について考察された。
- 2005-03-15
著者
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