韓国人と日本人相互の民族的印象形成と, 両者の印象上での在日コリアンの位置づけに関する計量的分析
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概要
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本研究は, 第1に韓国人と日本人の大学生がお互いにどのような集団印象を形成しているかについて記述的分析を行うことを, 第2に韓国人と日本人が在日コリアンについてどのような印象を形成しているかを明らかにすることを目的とする。韓国人評定者と日本人評定者の印象評定について, 自民族の印象評定と, 他民族成員による印象評定との間に大きな差異が認められた。またそれぞれの集団印象として互いの評定が共通しているのは, 日本人よりも韓国人のほうが積極的であり, 韓国人よりも日本人のほうが礼儀正しい, という2点のみであり, 両集団の「国民性」として, 世俗的によく知られている特徴に一致しているといえる。好悪評定と印象評定の関係については, 日本人評定者の印象評定が好悪評定を規定しているのに対して, 韓国人評定者の印象評定は, 好悪評定の重要な規定因とはなっていなかった。韓国人評定者と日本人評定者は, 在日コリアンについて近似した印象を持っているということ, 次に, その印象は韓国人的でもあり日本人的でもあるが, おおむね両者の中間的位置づけになっている, ということが明らかになった。
- 2004-03-15
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