作家の会話文の表記について : 国語教科書研究の延長として
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概要
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筆者は先に小学校の国語教科書の表記、なかでも主に会話文の表記の調査を行った。そして、その表記には検討を要するものがいくつかある、という結論を得た。今回は、その国語教科書の表記が、いま現在、社会で読まれている文字著作物の表記と、どれほどの共通性を持っているのか、あるいは持っていないのか、それを確めたいと考えた。それが今回の論文の問題意識である。広く国民に読まれている文字情報や著作物には、様々なジャンル、種類のものがある。このうち、国語教科書と最も近い内容を持つ分野は、物語、小説、随筆の類ではないかと思われる。現に国語教科書の中には、それらの作品が数多く取り入れられている。そして、その作品の殆どは「会話文」を含んでいる。そういう理由で、作家が書いた物語、小説、随筆の表記、とりわけ会話文の表記を中心に議論を展開した。作家の諸作品を調べてみた結果を一口で言えば、作品と教科書とでは一般記述の面で多くの共通性を持つ一方、会話文の表記を中心に、似て非なる表記のあることがわかった。会話文の表記では、作家の年代が新しくなればなるほど、教科書の表記と離れていっている。こうした共通性、非共通性を数量的に検討し、併せてその意味を考察してみた。
著者
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