リズムの構成と動きについて 第2報
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概要
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4種の基本となる動き(「歩く」「走る」「スキップ」「ギャロップ」)とそれに伴うリズムの傾向を探るために、前稿では聴取後にのみおこなっていた記譜を聴取前にもおこない、聴取前と聴取後の記譜のされ方から動きとそのリズムの捉えられ方を考察した結果、「歩く」リズムは拍節を単純拍子で刻むリズムであると捉えており、「走る」リズムは拍節内が二連符、三連符、四連符と連符により均等に分割されたリズムで構成されたものであると捉えており、動きとそれに伴うリズムの一致を見ることができた。「スキップ」は前音が長く、後音が短い音符の組み合わせにより連続した拍節で構成されているリズムであると捉えられる傾向にあり、付点二分音符と四分音符の組み合わせのような小節内を1回のパターンで繰り返されるような遅いテンポには同一のリズムパターンであっても「スキップ」のリズムパターンとして認識されない傾向にあること、四分音符と八分音符の二連符で構成されたリズムとして特異な捉え方をされる傾向にあること、四分音符を一拍単位としたときに付点による長音符と短音符の組み合わせによる一拍が等間隔に繰り返されるリズムパターンとして存在する場合、四分音符についても付点による長音符と短音符の組み合わせと見なす傾向にあることがわかった。また、「ギャロップ」については「スキップ」と「ギャロップ」の基本となるリズムパターンの異なりが認識できず、「ギャロップ」のリズムも「スキップ」のリズムも同一の構成リズムで動作できると捉える傾向にあること、さらに種々のリズムパターンの組み合わせが多様に存在すること、そして記譜できないとする者の数が極めて多く、聴取後の修正によっても多いことから「ギャロップ」の動きとしての認識のし方が「歩く」「走る」「スキップ」に比較してかなり低いものであることからくるものであることが推察できた。これらのことは前稿と同様の結果であり、基本となる4種の動きとそれに伴うリズムの一つの傾向が得られたものである。ただ、聴取前の段階で「ギャロップ」の認識のされ方が極めて低く、動きとリズムのパターンの一致を見ることが難しいものとなっており、「ギャロップ」の動き及びそのリズムを記譜する能力の低さからくるものではなかろうかとおもわれるが、その要因を探り得るところまでにはいたらなかった。今後の課題として、調査方法を検討し、その要因を探っていきたい。
- 2004-12-20
著者
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