J. A. ホブスンにおける人間的経済学の構想(経済・金融領域)
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概要
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イギリス新自由主義の代表的思想家J. A. ホブスンは, 一九世紀末に深刻化しつつあった貧困や失業等の様々な社会問題の本質を把握し解決の方途を示し得るような, 社会科学の構築の必要性を痛感する。社会問題は, 現実には経済的な次元において顕現しており, その根本的な枠組みを抽出すれば, 努力と満足の関係として捉えられる。旧来の古典派経済学は, その哲学的基礎として功利主義的な人間観を採っているために, そうした社会問題を把捉し解明することはできない。功利主義の批判者J. ラスキンに影響を受けたホブスンは, 貨幣的価値評価基準をラスキン的な人間的基準で置き換えることによって, 社会問題に真に対処し得る人間的な社会科学の構築をめざしたのである。
- 愛知学院大学の論文
- 2004-09-30