敬天丸の主発電機原動機に於ける低負荷運転域での燃焼改善対策
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概要
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漁業練習船の発電機容量は,その特性として,トロール操業,鮪操業実習時等に使用する甲板機械をも併せて設定してあるが,調査した結果,不等率(%),需要率共かなり高く計画されており,敬天丸では,不等率(%)平均35%,需要率平均66%であった。甲板機械が総て運転された場合も,約70%の負荷で電力は供給される。通常航海では,発電機の単独運転で60%以下の負荷で運転しており,最も多い使用負荷は,40%付近である。停泊中は更に低い負荷となる。この結果,発電機原動機の燃焼状態が非常に悪い為,燃焼残渣物の噛込,排気ガスの給気側への吹き返し等による弊害として,ピストンリング,ピストン,シリンダライナーの異常摩耗を発生させていた。そこで,従来の発電機原動機の出力容量の80%〜90%をMAX'とすべく,下記項目を変更して実験,検討した。1)燃料カムを調整することにより,燃料噴射時期を遅らせる。2)燃料噴射弁のノズル孔を小さくする。3)過給機のタービンノズルを低負荷型とする。4)過給機のブロワーの導翼の流出角を小とする。(但,3),4)は同時に施行)この結果,特に低負荷域での燃焼改善に有効との結論を得た。今後に残る課題として,漁業練習船の発電機の不等率(%)の再考が必要と思われる。さらに,発電機原動機の容量を必要最小限にするためには,主機駆動の軸発電機の設置等が望ましいと思われる。
- 1995-12-25
著者
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嶋田 起宜
鹿児島大学水産学部
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佐藤 忠明
鹿児島大学水産学部練習船敬天丸
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嶋田 起宜
鹿児島大学水産学部練習船敬天丸
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中武 利郎
鹿児島大学水産学部練習船南星丸
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仲武 正臣
鹿児島大学水産学部練習船敬天丸
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善福 忍
鹿児島大学水産学部練習船敬天丸
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