シトー会修道院ヒンメロートの森林所領について(侘美光彦先生追悼記念号)
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概要
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1138年、アイフェルの森の谷間に一つの修道院が建築された。修道士自らが労働を行うとしたこの修道院は、シトー会の修道院であり、当院が農業を基盤とする経済活動を行う場合、森は放牧のための重要な場として、また、木材を採取する場として、必須の用地となっていた。しかし、森の利用の重要性は、修道院のみならず近接する村落住民にも同じく認識されていたから、互いに森の用益を求めて争いがはじめることになった。本稿では、モーゼル川流域に設立された修道院ヒンメロートの森の利用に関する係争を探ることを第一の目的としている。その際、従来、アイフェルの森林地帯に関して一般的に認められている13世紀以降の係争の頻発を、当地域において比較的後発で設立されたヒンメロート修道院に関しては、12世紀にその頻発を求めようと検討した。第二の目的は、シトー会修道院に特徴的な経営形態とは何かを、ヒンメロート修道院と例にして明らかにすることにある。
- 2005-01-20
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