障害者の合併症予防(<特集>都民公開講座疾病予防とリハビリテーション)
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概要
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健康管理・維持の問題は,老後のよりよい生活の確保のための一番の関心事である.一般健常者では,疾病の早期発見・早期治療の時代から,最近は予防に重点が置かれてきているが,障害者においては,その取り組みは大きく遅れている.障害者は,日常生活において低活動になることが多いので,合併症予防では廃用症候群に対する配慮が重要である.廃用症候群の予防の基本は,早期離床であり,ベッド上,ベッドサイドでの関節可動閾訓練や座位保持訓練などのリハビリ技術は特に有用な予防手段である.医師・理学療法士・作業療法士などから正しい技術を学んで本人・家族が行えば,多くの合併症が予防可能である.また,栄養の管理や精神的支援の重要性も忘れてはならない.高齢化が進む現代にあって,老化に伴う身体・精神機能の衰えは,障害者におけると同様に,廃用症候群の悪循環から寝たきりになる危険をはらんでいる.早期から廃用症候群になる<芽>を摘んでおくことが重要であり,障害者の合併症予防の考え方が役立つ.障害者においても高齢化が進み,低活動性の要因も加わって,健常者以上に生活習慣病の合併が多いが,健康指標(適正なBMI,栄養,適切な運動方法など)の確立は遅れている.今後,人間ドック,障害者健康診査事業等の健診体制のさらなる整備・利用促進とともに障害者の疾病予防に向けての運動処方や栄養・生活リズムなどの生活指導指針などの検討を急ぐ必要がある.
- 2005-06-30
著者
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