倫理的規範形成のゲーム論的分析 (経済学部50周年記念号)
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概要
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倫理的規範の形成過程を、子供に社会的ルールを躾ける社会化過程と、共同体のリーダーが公共的行為を他のメンバーに説得(あるいは強制)したものが慣習化する過程の二段階に分けてモデル化した。前者では、養育者の倫理的インセンティブを仮定し、従来の学習モデルとは異なり子供の効用関数の変化をモデル化するという、より現実的なゲーム構造としてモデル化した。後者ではリーダーのイニシアティブの重要性を明らかにし、新たな公共的行為が慣習・規範化していく過程を、最新の進化ゲームの成果を取り入れてモデル化した。倫理的あるいは互恵的動機の生成については、近年研究の進んでいる慣習・規範浸透に関する多くの研究でも前提とされている部分であり、それをモデル化したことは本稿の主要な貢献である。このように倫理的規範の形成過程を二段階に分けてモデル化することで、倫理的規範モデルの体系化の一つの方向を提示した。
- 北海道大学の論文
- 2003-12-16
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