18-19世紀の英語辞書における発音表記とその英和辞典編纂への影響
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概要
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18・19世紀に出版された英語辞書の発音表記は2種類に分けることができる。1つは数字を用いて母音の音価を示すものであり、もう1つは区分的発音符によって母音や子音の音価を示すものである。前者はウォーカーによって完成され、19世紀前半のイギリスにおいて最も権威ある表記とされた。後者は主にアメリカにおいて盛んに利用された。ウェブスター系辞書において採用されたが、ウースターがその原型を確立し、グッドリッチとポーターが完成したといえる。19世紀前半におけるウォーカー辞書の圧倒的な優位にもかかわらず、英和辞典においては彼の発音表記は採用されなかった。ウェブスター式の表記が採用された。その理由を考察することは英和辞書史において重要である。1864年版ウェブスター辞書の表記が明治期に利用された最大の理由は、発音表記そのものの優位性というよりも、原典としてのウェブスター辞書の総合的評価の高さによると推測される。
- 人間環境大学の論文
- 1999-06-20
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