「満州国」地方財政における「省地方費」の成立 (経済学部50周年記念号)
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概要
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本稿は、1937年1月の「省地方費」制度成立前後の満州国の地方財政を検討しながら、地方財政上最大の改革といわれる同制度の役割を明らかにする。省地方費の成立以前は、県市が唯一の地方財政であったが、それ以後は、省地方費-市県旗-街村という3級制度となる。県歳入の中心は県税と国庫補助金であり、歳出では役所の行政費である公署費と警察費、特に後者が中心であった。市では、市税と国庫補助金で歳入を賄い、主として土木建築費を支出していた。省地方費の成立とともにそれまでの地方財政は一変し、同費は国の一般会計と地方財政調整資金特別会計からの補助金でその歳入を支えられ、警察費と土木費を支弁した。また県市は、県税と省地方費からの補助で警察、土木、教育などの経費を支出していた。こうして、省地方費は満州国における地方財政調整の役割を果たしたのである。
- 北海道大学の論文
- 2003-12-16
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