多段軸流圧縮機の旋回失速
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概要
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多くの翼列を有する軸流圧縮機の旋回失速における翼列干渉の効果を論ずることができるような理論を準actuator discおよび微小変動の仮定のもとに示し,それを用いて翼列干渉の効果について理論解析を行なうと同時に実験結果との比較を行なった.そして段数の多い軸流圧縮機では翼列流路内の流体の慣性,軸方向間隔内の流体の慣性および翼境界層の時間遅れ特性の三者は旋回失速の様相を支配する重要な因子であることを明らかにするとともに,これらの因子を通じての干渉の効果が旋回失速の様相にどのような影響を及ぼすかを明らかにした.また理論と実験との比較を行なった結果上記の理論は翼列干渉の効果に関する限りではよく実際の現象を説明できるものであって,とくに旋回失速の重要な様相の一つである失速領域数については,これは主として翼列間の干渉の効果のみによって決まってくる様相であるから,理論の結果は実験結果とよく一致するものであることを示した.しかしながら旋回失速のもう一つの重要な様相である伝播速度については,翼列干渉の効果のほかに何か他の非線形の要素の影響が大きく効いていると思われるので,上記理論によっては説明のできない面もある.
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